top of page
検索
執筆者の写真高尾大輔

はじめてのディープラーニング



これまで光学イメージングを軸としたアプローチで研究を展開していますが、一連のアプローチには当然ながら画像解析も含まれます。アルミ合金を旋盤で削ったり電気回路を設計したりするところから顕微鏡を組み立てたり改造したりということもそれなりにやってきましたが、結局のところあくまで顕微鏡はツールであると捉え、生物学的興味に重点を置いたアプリケーションを専門とするスタンスに落ち着いています。なのでしばらく装置を自作するようなこともしていないのですが、画像解析だけはやはり自力でいろいろ作る必要があります。既存の(共同研究者の開発した顕微鏡を含めて)顕微鏡を使ってデータを取得、解析方法を自力で考えて場合によっては簡単なプログラム作成、という流れが最近のテンプレート。


ところで最近はAIが流行っているのでなかなか意識しないわけにもいかないのですが、実際、機械学習には画像解析と相性のいいアルゴリズムも多いです。顕微鏡メーカーの解析ソフトにも実装され始めていますね。すでにハイプサイクルでいうところの幻滅期に入ったと言われていますが、だからこそある程度の知識と技術を身につけておかねばとの危機感があります。今はまだ機械学習ができればそれだけで売りになるのですが、10年後20年後、ごく普通の技術として普及している状況は当然予測されるわけで。よくこの話をするのですが、Windows95の登場で爆発的にパソコンが普及して、10年後の2000年代半ばにはエクセルでグラフを作ってパワーポイントでプレゼンというのが当たり前の世の中になりました。このパラダイムシフトに適応できなかった人たちはどうなったか、、、というのはさておき、新しい技術を取り込む姿勢は頑張って維持したいと思う次第であります。キャリア半ばの多忙な時期、新しいことを始めるのは億劫になることもあるのですが、幸い情報系の知人にも励ましてもらいながら(煽られながら?)ちょっとずつ勉強しています。


そんなこんなで勉強しながら少しずつ機械学習を理解しているつもりではあります。とりあえず分かってきた機械学習のコツは、「機械学習を使わなくていい方法を考える」だったり笑。身も蓋もないのだけど教科書にもそう書いてあったりしてまあ納得です。そうは言ってもちゃんと勉強して、高度なアプリケーションは専門家に頼むとしても、共同研究者とまともに議論できるレベルの知識を身につけたいです。機械学習に限らずちゃんと勉強せずに専門家に丸投げした結果うまくいかない共同研究案件はたくさん見てきたし、自分はそうはなりたくありません。ある程度は自分でもできるぐらいの技術は身につけたい。実際のところアルゴリズム自体はそう難しくないのですが(とか言うと各方面から怒号が飛んできそうな気もしますが)、プラクティカルに実装・応用するところをちゃんとやらなきゃな、、、と思いつつ、忙しくてついつい後回しに←


実装と言えば、機械学習ではデファクトスタンダードのPythonも合わせて勉強中です。20年近く前にMathematicaを使ってモンテカルロ法で円周率を求めたり酵素反応のシミュレーションをしたりして遊んで以来ずっとMathematicaを使っています。生物系ではMatlabがスタンダードなので、情報共有のため何度も乗り換えようとしつつMathematicaのぬるま湯から出られず挫折して今に至るのですが、そうこうしているうちにPythonに乗り換えた方がいい状況になってしまったので今度こそはととりあえず手を動かしています。自分の研究と相性がよく感覚的にも分かりやすい、畳み込みニューラルネットワークを使ったディープラーニングで画像分類するアプリケーションがとりあえずの目標。ちょっと前に試しに動かしてみたPythonのディープラーニングのコードによる出力結果では、ご覧の通り手書き数字をちゃんと識別できています。細胞の顕微鏡画像に応用できる日は近い?はい、頑張ります。。。


畳み込みニューラルネットワークによる手書き数字の識別

閲覧数:201回0件のコメント

Comments


bottom of page